稼働率のよい儲かる旅館にするには、外観の美しさや料理の豪華さ、規模の大きさが 必要という思い込みがあります。
これが難しいとあきらめてしまう方がいらっしゃいます。 バブル時と比べて、不況のためにお客様が減ってしまったという考えをもつ方も多くお会いします。
不況や旅館の造りは関係ありません。倒産していく旅館がある一方で常に高い稼働率をもち予約を断っている旅館があるのも事実です。
2件目を持たれる方や新規参入する大手企業もあります。
日本人で温泉や旅館が嫌いという方はいないと断言できるくらい、日本人は世代を問わず温泉好きです。温泉街は下火になったとよくいわれますが、お客様が行かなくなったのではなく。 多くの情報がもたらされることによって、サービスに対する目がシビアになってきたのです。
大盛況の旅館と閑散としている旅館の違いは、不況も外観の美しさも関係ありません。 これを証明するよいエピソードをご紹介いたします。
地方にお世辞にもきれいとは言い難い古い質素な旅館がありました。
そこはいつもお客様でにぎわっています。料金も安いわけではありません。
その理由を不思議に思っていました。早い夕食でおなかがすいてしまった友人が、
お風呂から部屋へ戻る途中「お腹すいたけど、この近くにコンビニないよね」ともらしました。
その後部屋で談笑していると、仲居さんがやってきました。
「お腹すいたでしょう、これどうぞ」
お皿には握ったばかりのおにぎりがたくあんと一緒にのせてありました。
私たちは2つのおにぎりにとても感激しました。そのおにぎりでこの旅館がどうしてこれだけ人気があるのか分かりました。
それだけではありません、いままでどの旅館でも味わったこともない感動の接客を受けて旅館を後にしました。
この旅館では様々な工夫や氣使いが、多くのお客様を虜にしていたのです。
もう一度言いますが、その旅館はとても古く、料理もとてもシンプルなものでした。
すべてのお部屋がお客様で埋っていました。










